2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を持ち、資産運用アドバイザーとしても活躍する俳優の崎本大海さん。
2022年4月には著書『もうお金で悩まない』を刊行し、SNSやブログでもマネーリテラシーの啓発を熱心に取り組んでいます。
背景にあったのは、崎本さん自身が借金に苦しんだ20代の経験。数百万円もの借金を抱えていた崎本さんは、30代でどう人生を立て直していったのか。子育て世代に向けたメッセージと共に、その半生を伺いました。
◆愛車・ポルシェのガソリンが入れられなかった…
――著書『もうお金で悩まない』の冒頭では、子役時代から借金などに苦しんだ20代。そして、自身の生活設計を見直した30代の現在までを振り返っていました。当時はどのような感覚で生活していたのでしょうか?
崎本大海(以下、崎本):何だろう、自分が自分じゃないというか。収入と支出の管理とは程遠かったですし、貯蓄や将来設計についても完全に上の空だったなと思います。ポルシェに乗っていても、ガソリンが入れられず彼女に「ガソリンメーターがゼロになっている! なんで早く言わないの!」と怒られたり、今思えば恥ずかしい経験でしたね。身の丈を超えてお金を使っていたし、常に足元に落ちている小銭を探すような、所在なく生活している感覚でした。
――6歳から芸能界へ身を置いていると聞きました。子役として大河ドラマ『徳川慶喜』で主演の本木雅弘さんと共演するなど、中高生の時代までの貯金もあったのかと思います。子役時代のギャランティは、どのように管理されていたんでしょうか?
崎本:当時のギャラについては、母親が管理してくれていたんだと思います。実は、自分自身ではよく分かっていなかったんですよ。子役時代は、基本的にはお小遣いをもらっていて、あとは、どうしても欲しいものがあるときだけイレギュラーにもらえるくらいで。
贅沢な暮らしをしていたかと言われれば、けっしてそうではなかったと思いますね。高校卒業後は、慶応義塾大学法学部へ進学したんですけど、初年度の学費は自分のギャラから払いました。たぶん、当時あった僕の貯金を丸ごと学費に当てていたのかなと思います。
◆宵越しの銭は持たない。開き直っていた借金生活
――大学入学以降は、小栗旬さん、生田斗真さんらと共演した人気ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』への出演など、順風満帆に思える芸能活動の一方で、「私生活が相当だらしなくなってしまい、心配してくれる母の忠告にも耳を貸さなくなっていた」と著書で振り返っていました。当時は、どのような暮らしぶりだったんですか?
崎本:自分の中で「宵越しの銭は持たない」という言葉のイメージが先行していました。遊ぶ金はいくら使ってもいいと考えていたし、そんな生き方をしている俳優の先輩を見ていたので、欲に流される自分を都合よく肯定していたんだと思うんですよ。一方で、周囲に羽振りよく振る舞っている先輩への憧れもあって。「飲みに連れて行ってやるよ!」とか、周囲に還元している姿もカッコいいと思っていました。だから20代の頃は、自分もそう振る舞っていました。
20代前半で芸能界の仕事で毎月70万〜80万円ほど稼いでいたので、入ってきたお金は貯金もせずに使い切っていました。割り勘とかダサいと思っていたから、周りには必ずと言っていいほどおごっていたし、とにかく毎晩のように豪遊していました。
――20代で毎月70万〜80万円もの収入があるのは、世間的に見るとだいぶ高いような気がします。それでも、当時は借金生活だったそうですね。初めは「すぐに返済すれば」と軽い気持ちで消費者金融で借りた数万円程度の借金が、いつの間にか、家族や友人からの借金やリボ払いの残高も含めて約400万円に。当時は、危機感などおぼえていたんでしょうか?からの記事と詳細
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