伊藤沙恵女流名人が就位式で涙師匠の屋敷伸之九段「泣きたくなったら泣いて」 - スポーツ報知

　将棋の第４８期岡田美術館杯女流名人就位式（主催＝報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛＝（株）ユニバーサルエンターテインメント）が１５日、都内で行われ、伊藤沙恵女流名人（２８）が出席。師匠の屋敷伸之九段や母の前で壇上に上がった。

　紫の和服姿で登壇した伊藤女流名人は涙をこらえきれなかった。「女流棋士になってから８年、タイトル挑戦は８度重ねて来ましたが、獲得には手が届かないまま。このまま自分はタイトルに縁の無い人生なのかなと思う時もありました。そんな中、昨年度は色々なことがありましたけども、周りの方々に支えていただいたなと思っております。そういった経験をして、女流名人戦で挑戦を決めた時はこれが最後かもしれないという思いで臨もうと思いました。その強い思いが今回実って、形になったこと非常にうれしく思っております」と謝辞を述べた。

　周囲への感謝を述べる場面では、「これは私ひとりの力ではなく、支えてくださった方々、いつも応援してくださった方々のおかげだと思っております」と声を震わせた。

　伊藤女流名人は今年１月～２月、里見香奈女流四冠（３０）＝女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花＝に挑戦した五番勝負を３勝１敗で制し、史上最多となる９度目のタイトル挑戦で女流名人を奪取。今期の女流名人戦では初めて防衛戦に挑むこととなる。「どなたが来るかわかりませんけども、さらに高みを目指して、成長していけるように精進していきたいと思います」とはっきりとした口調で述べ、スピーチを終えた。

　ディズニーファンとして知られている伊藤女流名人には、副賞としてテーマパークへの１泊２日ペアの旅のチケットが贈呈された。

　師匠の屋敷九段も出席し、「今日という日を迎えまして、本人にとって素晴らしい晴れ舞台を迎えましたので、今日は感情の赴くままに、泣きたくなったら泣いて、笑いたくなったら笑って。人生の１ページの素晴らしい一日を過ごしていただきたい」と祝辞を述べた。（瀬戸　花音）

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