「まず映画の冒頭から、とてつもない熱量と密度で描かれた手描きアニメのクオリティーに圧倒され、キャラクターが走るシーンひとつをとっても、躍動感に驚かされました。
ストーリーについては詳しく触れませんが、あえてジャンルでくくるのであれば『冒険活劇ファンタジー』と言えるのではないでしょうか。
全く先が読めない展開にワクワクし、まさに『ジブリアニメ』だと感じました。先日行ったインタビューで鈴木敏夫プロデューサーは、今回の作品について「若い宮崎アニメ」というキーワードをあげていました。
今回の制作は、宮崎駿監督が『こんなの描けるか!』という思いで描いた絵コンテを、作画監督を任されたすご腕アニメーターの本田雄さんが具体化する形で進められたといいます。
確かに、次々と繰り出されるシーンは『こんなの描けるか!』と圧倒される場面ばかりで、82歳という年齢を感じさせない宮崎監督の、エネルギッシュで新鮮な演出に満ちていたと思います。
とめどなくあふれるイメージをそのまま観客にぶつけてくるような、荒削りな若々しさもありました。映画のストーリーについては、いろんな解釈や受け止め方があると思います。
私自身は、高齢を理由とした引退を撤回してまでこうした作品を作り続ける宮崎監督から『君たちはどう生きるか』と問いかけられているような気持ちになりました」
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