24日に90歳で亡くなった作家の森村誠一さんは、熊本市内で暮らしていた妹君枝さん(2020年死去)に会うため、度々来熊。講演会や熊日のインタビューにも応じ、戦時下の体験が創作の原点になっていることなどを語っている。
2013年のインタビューでは、生家のあった埼玉県熊谷市で終戦前夜から当日未明まで続いた空襲を回顧。家族と火の海を逃げ惑い、知人を亡くした体験を語った。戦時中、かばんに入れていた尾崎紅葉の「金色夜叉」が上級生に見つかり、「非常時に軟弱な本を読むな」と叱られ、没収されたエピソードも明かしている。
その後のインタビューでも、命を脅かされ、読書までも制限された戦時下の苦い体験が創作の原点と語り、表現の自由がある平和な今を大事にしてほしいと繰り返した。
縁のあった熊本にも思いを寄せていた森村さん。作品の中に熊本を登場させたこともある。義弟の貝島博信さん(79)=熊本市中央区=は昨年、君枝さんが所蔵していた森村さんの作品約千冊を市に寄贈した。森村さんとは一緒に取材で市内を回ったこともあるといい、「年の離れた末の妹をかわいがり、私ともうんと親しくしてくれた。最後にもう一度会いたかった」と話した。(澤本麻里子)
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