将棋の名人戦A級順位戦の対局で、マスクを長時間外して反則負けと判定された佐藤天彦九段(34)が1日、判定の取り消しと対局のやり直し、マスク着用に関する規定の見直しなどを求め、日本将棋連盟の理事らで構成する常務会に提訴した。同日、自身のツイッターで不服申立書を公表した。
将棋連盟は、10月28日の対局で佐藤九段が2回にわたって約30分間マスクを外していたとして、マスク着用を義務づけた臨時対局規定に基づき反則負けとした。規定では、判定に不服があれば対局から1週間以内に提訴できるとされ、佐藤九段はこれに基づき提訴した。
申立書で佐藤九段は、一定時間マスクを着用していなかったことを認め「対局相手の集中力を削(そ)ぐような影響があったとすれば大変遺憾であり、対局相手の永瀬拓矢王座にも迷惑をかけた」と謝罪。その上で、反則負けの判定は「規定の解釈を誤って適用され、著しく相当性・公平性を欠いている」とした。
また、一部棋士があえてマスクをせずに対局したことを受けて規定が設けられた経緯に着目し、「規定の趣旨は故意の不着用を防ぐことにある」と指摘。自身がマスクを外したことに着用拒否の意思はなく、集中するあまり着用を忘れた「過失」だと強調した。また、過失か故意かの区別は「マスク不着用を指摘し着用を促せば、その後の不着用は故意と推認できる」のに今回は注意もなく、規定の解釈を誤った処分だと主張した。さらに「棋士にとって何よりも重要な対局を継続する権利を奪われ、失うものの大きさと違反行為の内容との間のバランスを著しく欠く」と訴えた。
佐藤九段はまた、規定には反則となる基準が示されていないとして、適用基準の明確化と感染防止の趣旨に添ったルールへの修正、規定の改廃時期の明確化も求めた。
将棋連盟は10月31日、「佐藤九段が約30分にわたるマスクの未着用を2回行ったことから、規定に基づいて反則負けと裁定した」とする文書を公表。飲食する場合や他の人と2メートル以上の距離がある時に一時的に外す場合以外は、常務会が判断すると棋士に通知していた、と主張している。【丸山進】
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