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【報知映画賞】横浜流星、12年目の新境地 イメージ覆す「ゆがんだ役」で助演男優賞「役者冥利に尽きる」 - スポーツ報知

 助演男優賞は「流浪の月」(李相日監督)で、恋人への愛が暴力に変化してしまう役を体当たりで演じた横浜流星(26)が受賞した。俳優人生12年目で、これまでのイメージをがらりと変える役柄を演じきり、「理想はエンドロールで気づかれるくらいの役者になること」と先を見据えた。作品賞(邦画部門)は、石川慶監督(45)の映画「ある男」が選ばれた。

 クールな表情がほころんだ。初受賞に横浜は「めちゃくちゃうれしい。監督や共演の松坂桃李さん、広瀬すずさんが引き出してくださったおかげ」と魂を削り合った仲間への心からの感謝を並べた。

 演じたのは、誘拐事件の被害者の過去を持つ主人公・更紗(広瀬)の恋人・亮。ゆがんだ愛はやがて暴力による支配へと変貌(へんぼう)する。コロナ禍のステイホーム期間中に原作小説を読んでおり「亮の最初の印象は『嫌なやつ』でした。ただ、読み返してみると、すごく人間らしくて愛(いと)おしい。母親に捨てられて愛に飢えている亮を、自分が愛してあげないといけないと思いました」と役への思いを深めていった。

 爽やかなイメージと真逆の役柄に、李監督からは「嫌われるよ、いいの?」と覚悟を問われたが、心は決まっていた。2019年のTBS系ドラマ「初めて恋をした日に読む話」でピンク髪の不良高校生を演じ、ブレイク。“若手イケメン俳優”の代表格となったが、葛藤もあった。「ありがたいと思う反面、『お芝居そのものを見てもらえているのかな』とか、もう一歩先に進むには、どうしたらいいんだろうと感じていて」

 「本物の役者になりたい」―。監督に真っすぐな思いを伝えて臨んだが「自分の足りなさを実感した」想像以上の難役だった。更紗へのDVシーンの撮影は丸1日に及んだ。孤独や怒り、置き場のない感情をワンシーンで表現することが求められ「監督からは『出すんじゃない、あふれさせるんだ』と何度も言われました。常に心に余裕がなくて、亮の感情か自分の感情かも訳が分からなくなりました」と極限状態に陥った。

 「更紗への愛は届かない」と悟った時に見せた、無精ひげ姿のやつれきった空虚な表情は、見る者をぞっとさせた。スクリーンでの豹変(ひょうへん)ぶりに、公開直後はインスタグラムのフォロワーが数万人減った。「初めて『嫌いになった』という感想がたくさん届きました。それが本当に役者冥利(みょうり)に尽きるなって。やりきれたんだなと、うれしかった」と新境地を開いてみせた。

 今年は映画とドラマ計7本に出演し、現在はボクサー役を演じる映画「春に散る」(来年公開)の撮影中。極真空手初段の運動神経と、ストイックな役づくりで新しい顔を見せてくれそうだ。役者の理想像を聞くと「エンドロールで(やっと)気づかれるくらいの役者になりたい。それぐらい作品の世界観に染まって、なじんで生きることができれば」。到達点は、まだまだ先にある。(奥津 友希乃)

 ◆流浪の月 大学生・文(松坂)は、家に帰ることをためらう10歳の少女・更紗(白鳥玉季)と公園で出会い自宅に招き入れるが、誘拐したとして逮捕されてしまう。15年後、更紗(広瀬)は、恋人・亮(横浜)と同居していたが、文と偶然の再会を果たす―。

 ◆横浜 流星(よこはま・りゅうせい)1996年9月16日、神奈川県生まれ。26歳。雑誌「ニコラ」のメンズモデルを経て、2011年に「仮面ライダーフォーゼ」でドラマ初出演。14年「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を浴びる。18年「兄友」で映画単独初主演。今年はTBS系「DCU」、映画「アキラとあきら」「線は、僕を描く」などに出演。174センチ。血液型O。

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