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特撮だから時代が映る 西島秀俊に聞く映画「シン・ウルトラマン」 - 産経ニュース

「公開まで時間がかかった分、熱のこもった作品になった」と語る西島秀俊(石井健撮影)

昭和の特撮ヒーローを令和の現代によみがえらせた話題作「シン・ウルトラマン」が、13日から全国の映画館で上映される。〝巨大不明生物〟の対策班長役で出演している西島秀俊(51)に作品について聞くと「これは、人間の本質とは何かを問う物語です」と熱く語る。

企画・脚本は庵野(あんの)秀明(61)、監督は樋口真嗣(56)。大ヒットした特撮映画「シン・ゴジラ」(平成28年)のチームが再集結した。

日本に次々と出現する正体不明の巨大生物「禍威獣(かいじゅう)」。政府は「禍威獣特設対策室(禍特対=かとくたい)」を設立するが、ある日、禍威獣のほかに銀色の巨人が現れる。

西島が演じるのは、この禍特対の班長、田村君男。4人の班員を率いて禍威獣が出現した現場に急行する。

「田村は、現場監督ですね」と西島。ともかく現場を何とかしろと上層部から命じられ、自ら現場に足を運び、ひょうひょうとして班員らと事態に対処する。

「後半に出てくる、あるセリフから、田村がどのように生きてきたかをうかがい知ることができます。人間ドラマを真正面から描き、最終的には人間の本質とは何かを突き詰める脚本です」

コロナ禍で公開が遅れた。撮影は3年前。コロナ禍以前だが、人類の脅威となる巨大生物の呼称に「禍」の漢字を当てていた。

「樋口さんや庵野さんというクリエーターが深く世界を見つめて作りあげた結果、この映画は現在を映し出しているように見えるはずです」

現実世界の問題を濃厚に投影してもエンターテインメントとして成立する。それが、特撮の大きな魅力だともいう。

「特撮は、機会があれば、これからも参加させてもらいたいな」

柔らかい物腰。この後に撮った主演作「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)は米アカデミー賞国際長編映画賞の栄冠に輝き、自身も全米映画批評家協会賞など多数の主演俳優賞を手にした。

だが、「僕の生活は何も変わらないです。撮影現場に行って、すばらしいスタッフと一緒に撮影するだけ」。どこか、田村と似ているか。

「できるものなら、いただける仕事は全部やりたいぐらい」とも。長く仕事がなかった時期があった。だから、まだ経験値が足りない。勉強も足りない…。「自分は、まだスタートラインに立ったばかり」。謙虚に、真摯(しんし)に、だが貪欲に役に取り組む。

この映画は、未来を担う子供たちに見てほしいと願っている。

「正義とは何か、人間とは何か。大事なテーマを、かっこいいウルトラマンを見ながら無意識のうちにつかみ取ってもらいたい」(石井健)

にしじま・ひでとし 昭和46年生まれ、東京都出身。「居酒屋ゆうれい」(平成6年)で映画初出演。以降、映画、ドラマに多数出演。今秋には主演の特撮ドラマ「仮面ライダーBLACK SUN」(白石和彌監督)の配信、主演映画「グッバイ・クルエル・ワールド」(大森立嗣=たつし=監督)の公開が控えている。

13日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国上映。1時間53分。主演は、斎藤工(たくみ)。ウルトラマンに変身する。共演は長澤まさみ、有岡大貴(だいき)、早見あかり、田中哲司ら。

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