谷川十七世名人はここまでの対局について、渡辺名人が藤井六冠の得意の戦法を避け、ちみつな作戦を練って臨んでいると指摘します。
谷川十七世名人は「最新形だと今はAIの力を借りながら70手、80手くらいまで事前に研究できるが、渡辺さんが10手目、20手目くらいから前例のほとんどない形に誘導して、あとは力勝負という戦い方を選んでいる。藤井さんはこの1年ほど、先手では必ず『角換わり』を目指していて、こう攻めると有利に導けるということをふだんの研究や実際の対局で何か結論を出しているようなところがある。そこへ踏み込んでいくのは渡辺さんでなくても相当な準備が必要だと思う。力将棋に持ち込むことで流れを変えようという気持ちはあったのではないか」と話していました。
一方、藤井六冠も、力将棋となる展開を好意的にとらえているのではないかとして、「藤井さんはタイトル戦のような時間の長い将棋を数多く経験したことで序盤の初見の局面、あるいはいくら考えても答えが出そうにない局面で1時間集中して考えてその蓄積で強くなっている。『名人戦』はタイトル戦の中で持ち時間が一番長い9時間なので、渡辺さんの戦略によって力将棋になり、序盤から一手一手考えなければいけない展開も藤井さんにとってはとても楽しいのではないか」と分析していました。
そのうえで、ここまでの七番勝負で印象に残っている対局として第1局を挙げ、「藤井さんが50手目あたりで1時間半ほどの大長考をして、そこで相当先まで見極めていたことがあとで分かって驚いた。30手先を想定して実際その局面に実戦も進んだわけだが、中盤から終盤にかけては、一手一手に分岐点があって30手先を読もうとすると何千手も読まないといけない。改めて藤井さんの読みの速さ、深さ、正確さを感じた」と振り返りました。
そして、今後の勝負の行方については、「星の上でも藤井さんがリードしているのは間違いないが、渡辺さんは非常に合理的でタイトル戦も番勝負としてどういう戦い方をすればいいかということにたけている。今回のような大きく注目されるシリーズは長く続いてほしいので第6局、7局までもつれてほしいと思う」と話していました。
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