カナダ出身の俳優、クリストファー・プラマーさんが5日、米コネチカットの自宅で亡くなった。91歳だった。「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年)や「スター・トレックVI 未知の世界」(1991年)など数々の映画や舞台に出演し、2012年には「人生はビギナーズ」で米アカデミー賞助演男優賞を受賞した。
プラマーさんは映画「サウンド・オブ・ミュージック」で、ジュリー・アンドリュースさん演じる主演マリアの相手役で、ナチス・ドイツに抵抗するオーストリア海軍のゲオルグ・フォン・トラップ大佐を演じ、世界的に有名になった。
82歳の時に「人生はビギナーズ」でアカデミー賞を受賞したほか、2010年に文豪トルストイを演じた「終着駅」で、さらに2018年には「ゲティ家の身代金」でも同賞候補になった。「ゲティ家の身代金」は、ケヴィン・スペイシーさん出演で撮影を終えていたものの、スペイシーさんによる性的加害の告発が相次いだため、急きょプラマーさんで撮り直すことになった。
「ビューティフル・マインド」や「ドラゴン・タトゥーの女」、最近では遺作となった「ナイブズ・アウト」などにも出演。「名探偵ホームズ 黒馬車の影」(1979年)ではシャーロック・ホームズを演じた。
若いころから数多くのシェイクスピア劇に出演するなど舞台俳優として頭角を表し、晩年まで舞台に立ち続けたプラマーさんは、「スター・トレックVI」では、随所でシェイクスピアのせりふを口にするクリンゴン星人の将軍を演じた。
報道によると、プラマーさんは妻エレイン・テイラーさんに見守られて、自宅で亡くなった。米紙ニューヨーク・タイムズは、テイラーさんの話として、転倒して頭を打ったことが原因だと伝えている。
46年来の友人でマネージャーだったルー・ピットさんは、「俳優という仕事を深く愛して 尊重していた、傑出した人だった」、「カナダ人としてのルーツをとても大事にしていた。その芸術と人間性を通じて、私たち全員の心に触れた」としのんだ。
「サウンド・オブ・ミュージック」で共演したデイム・ジュリー・アンドリュースは英PA通信に寄せたコメントで、「世界は今日、究極の俳優を失い、私は大切な友人を失いました。一緒に働いた記憶、長年共有した笑いと楽しい思い出を、大切にしています」と述べた。
「サウンド・オブ・ミュージック」の公式ツイッターアカウントも、映画でプラマーさんが歌う場面のクリップと共に、「私たちの大佐として残してくれたものは、サウンド・オブ・ミュージックの中で永遠に行き続けます」とツイートした。
「スター・トレック」で共演した米俳優ジョージ・タケイさんは、プラマーさんを「舞台とスクリーン」の巨人とたたえ、「永遠の音楽の中でおやすみください、フォン・トラップ大佐」としのんだ。
シェイクスピアの大役などを得意とする俳優としてイギリスのブロードウェイやイギリスで高く評価されたプラマーさんは、ブロードウェイ・ミュージカルから映画化された「サウンド・オブ・ミュージック」で世界的に知られるようになった。
この名声に戸惑ったプラマーさんは、インタビューで「サウンド・オブ・ミューカス(粘液)」と呼んでからかったこともある。またアンドリュースさんとの共演経験について、「毎日毎日、巨大なバレンタインデーのカードで頭を殴られるみたいなもの」と話したこともあるが、2人は後に親友になった。
やがて自分の出世作についても好意的に振り返るようになり、2008年の回顧録では「温かく、感動的で、喜びにあふれた、時代を超えた」作品だと評価している。
プラマーさんは1929年12月、カナダ・トロントで生まれた。モントリオールで幼少期を過ごし、母親の影響で早くから様々な芸術に触れて育った。
俳優を志す前はピアノを学んでいたが、プロの演奏家になるのは「とても孤独で大変な仕事」だと考え、俳優を目指したという。
1954年にニューヨークの舞台でデビューし、1958年にはシドニー・ルメット監督の「女優志願」で映画デビュー。1974年にはブロードウェイで「シラノ・ド・ベルジュラック」の舞台に主演し、トニー賞を得た。
2017年にケヴィン・スペイシーさんの代役として急きょ「ゲティ家の身代金」に出演した後は、アカデミー賞、英アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の候補になった。
この映画のリドリー・スコット監督と妻ジャニナさんは、プラマーさんの訃報に接して米誌ハリウッド・リポーターに対して、「なんていう人、なんていう才能、なんていう人生だっただろう。2年近く前に一緒に仕事をできたのは幸運で、素晴らしい経験だった」とたたえた。
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