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本作は、理想の映画を作ることに奔走する同棲8年目の男女の悲喜こもごもを描くコメディ。地元の映画祭で観た自主映画に感動して上京する佐藤香織を磯山、映画に熱い思いを傾ける浩平を吉橋が演じた。
オファーが来たときを振り返った磯山は「最初はバラエティのドッキリかと思ったんです(笑)。どうして私なんだろうと、撮影に入ってもまだちょっと疑っていました。でも、
吉橋は「クランクインまでは気分のアップダウンが激しくて、『ヤバい、もう撮影に入っちゃうよ』という日もあれば、『よし全然いける』みたいな日もあって。その繰り返しが1日の中でも数時間おきに起こるようになって、もうヤバいなというときに思い出した言葉がありました。十何年前に東京乾電池に入ったとき、柄本さんの奥さんでもある角替和枝さんに『吉橋、お前が映画に主演するようなことがあったら、大事なことは何かわかるか? がんばらないことだよ』と言われたんです」としみじみ。そして「そうか、気負いすぎてがんばりすぎてるから、今こうなってるんだと。だからがんばらない、がんばらないと思ってクランクイン当日を迎えました。そうしたら柄本さんから朝にメールが入っていて、そこには『がんばれ』と。どっちだ!と思い緊張がほぐれました」とオチを付けて会場に笑いを起こした。
オファー理由について高橋は「香織さんは一生懸命応援してくれる人なので、それにふさわしい方を探していました。磯山さんが志村けんさんや高田文夫さんの番組に出ているのを観てきて、合っているなと。また笑顔がとても素敵な方なので、ヒロイン役にふさわしいと思いお願いしました。浩平は頼りない感じで演じてほしいと思っていて、その中で吉橋くんと出会った」と話し、「主演ということで2人とも緊張されていましたし、考えながらよく演じていただいてとてもよかったなと思っています」と苦労をねぎらう。
「応援する女・香織、応援される男・浩平に共感できる?」という質問には、磯山が「私も人のためにいろいろとやりがちなタイプです。でも香織はいきすぎていて、私はここまではできない。たぶん別れちゃうと思います……(笑)」と回答。吉橋は「僕は実生活でも応援されがちなんですよね。そういう意味では共感できるけど、もしここまで応援されたらかえってプレッシャーが強くなって申し訳ない気持ちになりそう」と笑いながらコメントする。なお吉橋が話をしている間、観客席からは手書きの「頑張れ吉橋航也」という紙が掲げられていた。
最後に吉橋は「現在進行形で夢を追いかけていて、あきらめかけている人もいると思います。映画を観て、もうひと足掻きしようかなと思ってもらえたらうれしいです」、磯山は「がんばることって悪くないな。人を応援するってこんなに温かいことなんだと感じてもらえたら」とアピールしてイベントの幕を引いた。
加藤正人、安倍照雄、三嶋龍朗が脚本を手がけた「愛のこむらがえり」は全国で順次公開中。
※高橋正弥の高は、はしごだかが正式表記
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