作・亜樹直氏、画・オキモト・シュウ氏による原作は2004年から2014年まで『モーニング』(講談社刊)で連載され、イメージを駆使した独特のワイン表現が人気を博し、全世界シリーズ累計1500万部以上突破。多彩な情報、そしてその正確さから、ワイン愛好家はもちろん、ワイン生産者などの業界関係者からも高い支持を得る。その人気は国境を越え、韓国では空前のワインブームの立役者に。ワインの本場・フランスでも出版が開始されて異例のセールスを記録している。
今回は、世界随一のグローバルテレビジョンスタジオ、レジェンダリー・テレビジョン(アメリカ)と高品質なテレビ番組を世界中の視聴者に届ける独立系製作配給会社のダイナミック・テレビジョン(アメリカ)、フランス国営放送局グループのフランス・テレヴィジオン、そしてHulu Japanの4社で共同制作する。
物語は世界的に有名なレジェ・ワインガイドの創設者/著者であり、ワイン学の権威でもあるアレクサンドル・レジェが東京の自宅で息を引き取るところから始まる。アレクサンドルの一人娘のカミーユは、9歳の時に両親が離婚して以来、アレクサンドルに会っていなかった。東京に向かったカミーユの前で、アレクサンドルの遺書が読み上げられ、アレクサンドルが残した膨大なワインコレクション、専門家いわく“世界一のワインコレクション” をカミーユが相続するためには、アレクサンドルの弟子で、若く聡明なワイン評論家・遠峰一青との対決に勝つことが条件だった。アレクサンドルの遺書には「一青は“魂の息子”」とあるが、果たしてアレクサンドルと一青の関係は…。複雑な家族関係、相続、そしてワインへの愛が二人の若者を宿命の対決へと導いていく。
山下は、2018年の映画『サイバー・ミッション』(中国/香港)で初めて海外作品に出演、続いて世界約60の国と地域で放送・配信中のHuluオリジナル『THE HEAD』への出演。制作陣に「多才で完全なアーティスト。すばらしい俳優でもあり、一青を演じるにふさわしいカリスマ性も持ち合せている」と言わしめた。2022年には大型映画『The Man From Toronto(原題)』の公開も控える山下は、出演に際し「自分史上最長期での、海外での撮影ですが、海外チームと心一つに同じ気持ちで、より良いものを作れるよう切磋琢磨していきます」と意気込みを語っている。
今作での大きなオリジナリティとして挙げられるのが、原作漫画で物語の中心となっている“神咲雫”という男性のキャラクターが、フランス人女性・カミーユになっていること。この設定の意図と理由について制作陣は「対決する二人の主人公の一人を若い女性にしたのは、シリーズを通して二人の対決に緊張感を持たせられると考えたからです。それに、二人の主人公の関係がより豊かになるだけでなく、二人の違いが際立ちます。優秀で経験豊富な一青と、経験ゼロで素人のカミーユとの対比です。しかしカミーユには、長年封印してきた才能、たぐいまれな臭覚があります。また主人公を男女にすることで、経験する感情も違うものになり、多くのドラマが生まれます」と語っており、原作者の二人もこの挑戦を喜んで受け入れたそう。
その山下演じる一青のライバル・カミーユ役には、フランスの新進気鋭の女優フルール・ジェフリエ(『エル ELLE』)を抜てき。制作陣は「私たちはカミーユのかよわさを体現できるフランス人女優を幅広く探してきましたが、天性の才能を持つカミーユのイメージにぴったりフィットしたのが彼女でした。フルールを見た瞬間、“彼女しかいない”と思いましたね。彼女は私たちがカミーユに求める、あどけなさと成熟の両方を持ち合せていたのです」とコメント。制作陣に「逸材」と言わしめ、オデッド・ラスキン監督にオーディションで選ばれたフルールは、原作とは異なる設定のキャラクターを演じ、このドラマのオリジナリティを高める。
脚本はコック・ダン・トラン(『マリアンヌ −呪われた物語−』、『パラレルズ(原題)』 )、監督はオデッド・ラスキン(『アブセンシア 〜FBIの疑心』、『ノー・マンズ・ランド(原題)』)、製作はダイナミック・テレビジョンのクラウス・ジマーマン(『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』、『トラップ 凍える死体』)が担当。今月よりフランスで撮影を開始、その後、イタリア、日本での撮影を行う予定となっている。
■キャスト・スタッフコメント
<山下智久>
『神の雫』という壮大であり、繊細な、僕にとってのワイン学のバイブルでもあるこの、作品に出演させていただく事をとてもうれしく光栄に思います。
ワインの魅力や奥深さ、そして人間模様、様々な要素が複雑に絡み合い、成り立つ奇跡をみなさまに感じてもらえるよう、真摯に作品作りに向き合って参ります。
自分史上最長期での、海外での撮影ですが、海外チームと心一つに同じ気持ちで、より良いものを作れるよう切磋琢磨していきます。
そして僕自身も、遠峰一青という役を通して成長できるよう頑張ってまいります。
完成を楽しみに待っていてください。
<著者・亜樹直>
『神の雫』をスタートさせた時、この漫画がワインの本場フランスで翻訳され、ヒットするなど予想だにしませんでした。それがかの国でドラマ化までされることになり、本当に感動しています。しかも神咲雫をフランス人の女性が演じ、遠峰一青を日本の人気俳優、山下智久さんが演じてくれるというではありませんか!
作者の私たちも、どのようなドラマになるか、いち視聴者としても楽しみです。
<Huluチーフコンテンツオフィサー・長澤一史>
3年以上前、本作のプロデューサークラウス・ジマーマンから『神の雫』を国際的なシリーズとして実写化したい、主人公の一人をフランス人にして、パリと東京を跨ぎ、登場人物も国際色豊かにすることで世界に通用する作品を作るというアイディアを聞かされた時には、思わずその斬新さに胸が高鳴りました。
原作の持つ漫画ならではの、特にワインについての繊細かつ詳細で豊かな表現を実写に蘇らせること、そして全44巻にも及ぶ大作をいかに濃密で見やすい8話のシーズンにまとめるか。脚本をリードするソニアが新しいバージョンのドラフトを書き上げるたびにディスカッションを繰り返し、作品に登場するワインさながらの味わい深い魅力的な人間ドラマとしての脚本が仕上がりました。
さらには、われわれが手掛けた国際共同製作作品『THE HEAD』に出演してくださった山下智久さんに主人公の一人である遠峰一青を演じていただくというアイディアにクラウスをはじめとする主要なメンバーが賛同し、キャスティングの軸ができたことも幸いでした。
Huluでは、これまでに全編日本語の『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』、全編英語の『THE HEAD』という作品を海外のパートナーとともに作り上げてきましたが、今回は日本の漫画原作をベースにキャストも言語も国際色豊かな、より踏み込んだかつてない国際共同製作作品ならではの魅力をみなさまにお届けできることを本当に楽しみにしています。
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